"演者がデックに（ほとんど）触れない"、"観客の手の中で現象を起こす"ことをコンセプトに書かれた、John Guastaferroのレクチャー・ノート『Hands off My Notes』(2015)の日本語完訳版です。上記のようなカード・トリック10作品収録。A5サイズのソフトカバーで本文44ページ。

■収録内容（レビュー：のじまのぶゆき）

・All Three Kings
スペリングで4枚のキングを見つけ出します。惜しむらくは英語仕様なことですね。

・Hands Off Aces
デックを分けて2人の観客に渡します。観客にデックを混ぜてもらい、2つの山にカットさせます。それぞれのトップからエースが出現します。これは強烈です。

・Twenty
ブラックジャックですごい奇跡的な手札を作り、21を作ります。さらにその内容が完全に予言されています。オーバーキルを彷彿とさせるたたみかけです。

・Heads Will Roll
4枚のエースを渡し、観客自身が決めた数の分だけカードを下に回してもらいます。回すのを止めた場所のカードを言い当てます。

・High Card
デックをシャフルしながらカードを捨てていってもらいますが、4枚のエースが残ります。

・Time Will Tell
カード当てと現在時刻の出現のコンビネーションですが、この当て方のプロセスがセンス良すぎます。それでいいんだっていう感動。

・Maverick
観客自身がデックを混ぜたにもかかわらず、ブラックジャックが出ます。さらにロイヤルフラッシュも現れます。

■Counterpoint
おもしれえ原理を使ったカード当て。ただし、英語のスペリングが要ります。でもおもれえ原理です。

■Your Turn To Triumph
観客自身がデックの裏表を混ぜ、知らずしらずのうちに処理までさせちゃうトライアンフ。

■Gemini Squared
この冊子の中で最も価値のある手順。ヘンリーエバンスがレパートリーに加えるほどの傑作です。ショーのトリにふさわしい手順です。スリーオブアカインド収録の作品とほぼ同じ内容です。