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A New AngleやThe Opposite of Peopleの著者、Michael Feldmanによる、約200ページのハードカバーが出ました。
彼のセールスポイントはプレゼンテーションと独自性の高いテクニックです。
彼は、”指を鳴らす”や”息を掛ける”といった、形骸化したマジカルジェスチャーを使うことを許しません。同時に、きちんと不可能が提示できていない手品を許容しません。
本書には、彼が25年にわたって使用してきたサインの複製テクニックや、PVにもあるデックスイッチが含まれています。
Vanishing Incから出版されるだけあって実用的です。難しすぎて挫折するようなものはありません。頑張れば常人に手の届くアイデア群です。

極めて現代的なカードマジック作品集です。Gabi Parerasのコンセプト”Fictional Magic”に惹かれるあなたにおすすめします。

Contents　※後日詳細な項目を追記
The Pages Are Blank

Aesthetics
本書に通底する美学・哲学が語られます。
本物の魔法を見せているわけではない、という当たり前の事実と向き合った結果生まれたスタイルとはどのようなものか。
本書で最も面白いパートです。

False Dichotomy
本書の哲学を体現するかのような若干込み入った２カードセレクションの手順。

Victory
テーブルを必要としないトライアンフ。

Don’t Skip This
技法セクション。

Double Book Peek
自然な動作で2枚のカードをピークできます。

Gin Pick
ノーゲットレディでダブルカードをピックアップできます。

Out With the Wash
凝視された状態でもできるデックスイッチ。

Two Cards, One Palm(Dorian Rhodell)
ワンハンドトップパームで複数枚をパームできます。

Shuffle Palm
アクションパーム。インザハンドのリフルシャッフルの動作で無理なく1枚のカードがパームできます。

Plain Sight
パームしたカードを卓上のパケットのトップへ足す方法。

Multiplexing
パームの効果的な使用方法についてのコメント。

Time One at a
エースカッティングに時間遡行的なアイデアを挿入したもの。

Change Blind
Richard Wisemanの認知系の実験のような趣のあるマジック。
しっかりとシャッフルしたはずのデックの並びがニューデックオーダーで、そのあと裏の色も変わります。

The Trick that Cannot be Spellchecked
クレジット界の巨匠Tyler Wilsonのアイデアをベースに構築された、面白い演出のスペリングトリック。これはかなり良いです。読んだ人のお楽しみということで。
日本でも部分的に活用できるアイデアなので、更なる研究が期待されます。

Not Again
カードアンダーザグラス。
パームを覚えたけど使い所がない、という方はこれに挑戦してみてはいかがでしょうか。

Overcoming the Signature
偽装サインにまつわるアイデア。

Forgery
2枚のカードの交換。
サインにより、あり得なさがこれ以上ないくらい強調されます。

The Merely Impossible Suite / Merely Impossible / Impromptu Merely Impossible
ミステリーカード。

One Up
サインされたカードのランクが１上がります。サインはもちろんそのままです。

Phusion
アニバーサリーワルツ。
2枚のカードが独立であることをはっきりと見せた後に1枚になります。